ユレユレの法則その一
2023.01.28
■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■
執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)
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ユレユレの法則その一
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堀田善衛さんのピュアーな文体が好きでした。
その中でも「若き日の詩人たちの肖像」は何度も読み返しました。
自分と重ねあわせ、
何だかその中の登場人物になったような気がしていました。
http://www.jca.apc.org/~p-news/YUUJI/syouzou.htm
今回は、こんな切り口ですが、ヴィブラートの話なのです。
この「若き日の詩人たちの肖像」という、堀田善衛さんの大作を夢中に
なって読んだのは、大学5年生の頃だったと思います。
1969年~70年にかけてです。大学紛争はノンポリでやり過ごしたものの、
なんだか社会にそのまま出てゆくのが、申し訳ないような気になって、
1単位だけ残して留年を決意。
親不孝のやり放題でした。ごめんなさい。(本当に自分の意思です・・から
学校から引きとめられたわけではないのです・・から!)
まあ、それはいいとして、この作品の中で語られるいくつかの映像が
今も心に残っているのですが、
ビブラートに関しては、次のような描写がありました。
数人の友人といつものように人生について語り合ったあと、その友人が、
先に帰る時に、「まるで本職の歌手のように声を震わせて流行歌を歌いながら」
下宿の階段を降りてゆくシーンです。その後、主人公(堀田善衛)はガンガ
ラガンの星空の下を、自分の下宿に戻ってゆくのですが・・。
当時、僕はビブラートをつけて歌える人に憧れていました。
この「友人」に、僕は当時ひそかに嫉妬したんです。
実は、プロになった後も、ビブラートへの憧れは40歳過ぎまで続きます。
つまり、20年近く、ビブラートのつけかたに悩んでいたのです。
今は、自由自在です。(フッツ!36年の実績さ!)
20数年間の汗と涙の結晶を、こんなに軽々と公開していいのかどうかとも
思いますが・・。言葉だけでは、伝えきれない部分があると思いますが、
まあ、皆様のヒントになればと思います。
苦労しただけに、ビブラート関連は数回にわけてお知らせしますね。
まず第一回目:音程差がビブラートを生み出すことに気がつきましょうね。
本当に出したい音を出した後、半音下げて見てください。その後にまた元の
音程にもどすという訓練をしてみてください。
口のあけ方はアでいいでしょう。
それをなるべく早いスピードで繰り返します。そのとき、喉に指を当てて、
そのあたりが上下していることを実感してください。
まずそれが第一歩です。
その方法がビブラートをつける基本です。
あ、時間が来てしまいました。ごめんなさい!次回に続く・・・・です。
ではまた来週。
Q:難しいんですね・・頭がクラクラします
A:クラクラじゃなく、音程のユレユレを伝えたかったんだけど。
Q:なんだか、喉仏が疲れます。
A:南無阿弥陀仏・・。