2023.01.20
■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■
執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)
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ティーショットの法則
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前回お話した短頭直入の法則に続いて、今回も口周りの法則ですが、
とても勘のいい読者の方から、「舌はどの程度つきだすといいのですか」という
反応が、すでに飛び込んできました。
僕としては、前回は唇の話にとどめておいて、この号で舌先の話に繋ごう
と思っていました。「今、やろうと思ってたのにィ・・」と
身体をくねらせながら拗ねたい気分ですが、気を取り直して! では・・・。
日本人があまり唇を動かさずに喋るというのは、日常の会話を観察して
いれば容易に気がつくことです。これは生活習慣にもよる事でしょう。
通りを隔てた人を呼び止めて、大声でそのままで話を続けるなんていう
習慣は、ラテン系の血筋をひいていない限り、まあほとんどないでしょうし、
日本人の会話方式は「密なるをもってよし」の傾向ですから尚更です。
そのような状況では舌の運動量もそれほどではありませんね。
今回のティーショットは日本人の舌の動きを活性化するための準備運動です。
歌うことは、人間としてかなり積極的な行為です。
多くの人にはっきりと意思表示をするために、明確な発音が必要とされる
わけですから、口周辺の環境整備がとても大切になります。
口を大きく開けることは悪い事ではありませんが、問題は、中ですね。
そのスペース確保のために、今度は舌を思いっきり前にだしてみましょう。
それこそ猫が舌なめずりをするときくらいの雰囲気で思いっきり舌先を
表にだして、口の周りを右に2回、左に2回くらいベロリとどうぞ。
今回のティーショットの法則で、ティというのは、Tの形です。
舌を思いっきり前にだらりとだした状態が縦の線を表し、横の線は唇だと
思ってください。Tをイメージすると判りやすいと思って名付けました。
横の線より縦の線が長い方が安定しますね。舌は、思いっきり長く
突き出した後に、フッと力を抜いて下唇の上に休ませるように脱力してください。
ここでも緊張から弛緩に移るときの気持ちを重視します。
この落差を意識できれば、自由に気持ちの切り替えができるようになるはずです。
では、どうぞ。
あ、この練習は、あくまでも準備段階でつかってくださいね。
ステージの上では勇気ある方だけでどうぞ。
Q:なるほど、で、ショットはどんな意味ですか。
A:ショットには、以下のような意味があります。
1: 銃などを発砲すること。射撃。2 :ゴルフなどで、ボールを打つこ
と。打球。3 :バスケットボールで、シュートのこと。4 :映画・テレ
ビ撮影で、カメラが回転しはじめてから止まるまでの一操作。また、
その撮影されたひと続きの画像。カット。5: 生(き)のままのアルコール
飲料。また、その一杯。
ぼくは4の意味をこめてますが。
Q:5の意味でもいいでしょうか。
A:ご自由にどうぞ! でも練習中にはTEA(お茶)のショットがいいよ。