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武蔵自然体の法則

2023.01.23

■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■            
              
執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)        

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武蔵自然体の法則
ここのところ、口周りの提案が多く、「リラックスして口を開けて」と
言いましても、なんだか唇、顎が強(こわ)ばってきたかもしれません。

これじゃ逆効果ですね。
今回は、改めて身体全体を俯瞰して、みつめなおしてみましょう

精神も極限まで緊張したら、ドッと弛緩しなきゃいけません。ほら、
いつか、掌を外にだした咽喉にみたてて、緊張弛緩の練習をしましたね。
全身もこの要領です。

柔らかなバネのような身体はきっといい声を生み出してくれます。
私は、小学校4年以来中学高校と柔道を学んでいました。こうみえても
(あ姿はみえないですね・・)二段の段持ちです。
 柔道の極意は、言うまでもなく「押さば引け、引かば押せ」です。
相手の力を丸ごと利用して自分に利することに醍醐味があるのです。

最近の柔道競技では、柔道も体力技のようにみえてしまいますが、本来は
小男が大男を投げ飛ばす瞬間に溜飲をさげるのが、
その醍醐味といえるのです。「道」というアカデミックな言葉ではなく、
「柔」(やわら)、柔術いう表現の方が僕は好きですね。

身体の軸は必ず中心におきながら、全身をリラックスして立つ。
いわゆる「自然体」ですが、この自然体ってのが実は結構奥が深いのです。
高校時代の柔道仲間で宮本武蔵の五輪書を読んでいた奴を思い出しました。

そいつが盛んに言っていた事は、「自然体は武蔵に学べ」だったと思いま
す。ネットの知恵を少し拝借して、歌うための立ち姿をもう一度ゆっくりと
観察してみましょう。

 武道はすべて、静の中に動を内包しているものだと思います。つまり、相
手の呼吸を読みながら、いつでもすばやく次の動作に移るためには重心の
移動をしやすい体制でなければなりません。

腰を据えておくことは、歌うためにも必要なことです。全身の力を抜いて
真っ直ぐに立ちますが、膝から踵にかけては自由さが必要です。固まってし
まっていては、絶対にしなやかな歌は歌えません。このあたりは古武道の知
恵を活用させていただきましょう。

 ゆらりゆらりと揺れるくらいのテンション(緊張度)に身体を保ちながら
重心も、左右に移してみてください。その時、身体を支えているのは、勿論
足の裏ですが、つま先でもなく、踵でもなく、土踏まずの外側の壁のところ
で身体を支えている感覚が、実は、自然体の基本中の基本であると記憶してください。

これ、やってみると結構気持ちがいいですよ。
しっかりと大地に結ばれた感じ・・・エネルギーを大地からもらっていると
いう感じを味わってみてくださいね。

 Q:あの・・、ある先生から、つま先に体重をかけるというのを学んだ事
   があるのですが・・・。

 A:決して悪い教え方では無いと思いますよ。歌うことは、とても積極的
   なことですから、意気込みとしてはいいです。それで重心の移動が苦
   でなければ、それでもいいです。でも・・ほら、君の場合、そうすると、
   顎をつきだしてしまう癖があるから・・ねえ。

 A:もともと僕の顎はしゃくれてるんですって!!

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