コラム

Columnコラム

学びのカテゴリー 第ニ章その2「容量不変の法則」

2023.03.15

■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■            
          
  執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)

■■■■■ 学びのカテゴリー 第ニ章その2「容量不変の法則」 ■■■

前回はMUUUUUUUUUU(ム・・・・・・・)という言葉だけをつか
いましたが、今日は、言葉に含まれている要素で、母音の獲得を中心に学ん
でゆきます。

母音とは、アイウエオです。AIUEOです。

言葉の意味はこの母音によって決まるといってもいいすぎではないでしょう。
母音を制するものは「声みがき術」を制す!です。

「武蔵自然体」「テイラミス」で身体をつくり、口腔内に「軟口不落の法則」
を適用してから、先ず「アー」っと長く音を伸ばしてみましょう。
今はあまり音程に拘らなくて構いません。
出しやすい音の高さでいいですよ。

次は少し口を横に開くつもりで「エー」です。
さらに横を意識して「イー」。
次は口を縦にするつもりで「オー」
最後はそれをとじるつもりで「ウー」

順番はアエイオウ AEIOUとしたほうがいいでしょう。

さてトレーニングをするうえで、この段階というのは、実際にあなたの声を
聴きながらアドヴァイスをさしあげるのが一番良いのですが、なにしろ文字
メディアですし、インタラクティブ(双方向通信)な状況でもありませんから、
私が先回りして、あなたが一番間違いやすいポイントについてアドヴァイス
を致しましょう。


題して「容量不変の法則」です。

一番大きな容積をもつ「ア」から、少し容積の小さな「エ」に移行してゆく
と自然と口の中が狭くなってゆくのがわかりますね。
普通しゃべっているときはそれが当たり前ですから、あまり心配する必要は
ありません。

でも、あなたは、「声をみがきたい!」のですよね。


「軟口不落の法則」を使っている時というのは、喉の奥にタマゴが縦にひと
つ入っている状況に似ています。それはタマゴをまんなかにして上下左右す
べてに外向きの力が均等にかかっているようなものです。

どこか一部分が強すぎてしまうと、その方向のベクトルの矢印が主張して、
バランスが崩れてしまいます。
弱くても、同様に、口の中のタマゴは転がりだしてしまいます。


そのことを頭いれておいて、こうしてみてください。

同じくアエイオウの口の形をしながら、声を出すのではなく、逆に息を吸い
込んでみます。

一つ一つの言葉で切るのではなく、ア~エ~イ~オ~ウ~という具合に連続
して口を変えながら息を吸い込んでゆきます。


できれば、近くに水をグラス一杯置いておいてから練習します。
このレッスンをしていると絶対に喉の奥の粘膜が乾燥してしまいますからね。
声帯をいたわるために、ご注意のほどを。


息を吸い込みながら、喉の奥にあたる息の風を感じてみてください。
通常「ア~」ではかなり広い面積に風があたっているはずですね。
移行していって「エー」「イ~」ではいかがでしょうか?

ほんの一部分、あるいは下のほうから舌が盛り上がってきて息が奥まで届か
ずに、硬口蓋のあたりがヒンヤリするくらいではないですか。
同じように「オ~」「ウ~」も実験してみてください。

いかがですか。
ずいぶんと空気のあたる面積も口の中の容積も違うことに気がつきましたか。
声みがき術では、声のトーン(音質)を整えることも必要になってきます。


さわやかに流れるような感じの声をだしてみましょう。

いまあなたが体験したのは、それぞれの母音によって響く口内の容量が変化
をしたということです。

容量をなるべく変えずに話すこと。

そのことを心がけるだけで、音質は整ってきます。

外から見る唇の形は「ア」と「イ」では全然違いますね。
それは当たり前です。

でも口の中の容量はほぼ一定に保たれている。
これは当たり前の形ではありません。トレーニングが必要です。

先ほどのように息を吸い込みながら、「ア」という音を発しているときの口
の中の容量を確認してください。
次に、ゆっくりと「エ」に移動させながら、その容量を意識して保ちましょ
う。

「エ」の時は口は自然に少し横に広くなりますので、その分奥行きでカヴァ
ーします。

つまり、少し唇は前に出し気味にしておいてから、横に広げるのがコツ。

「イ」は更に狭まりますから、その傾向は保ったまま、加えて喉の奥も少し
後方に広げるつもりになってください。

「オ」はもともとが深い母音です。広がった後方の空洞はそのまま使えます。
「イ」より縦の高さも確保できますので割合いに響きを得やすい母音です。

「ウ」は母音の中でも一番厄介な種族です。
ほっておくと縦も横もひしゃげてしまいます。
存在感がなくなる母音ですので、練習の段階では、あえて極端に唇を突き出
して、冗談でキッスをするような真似をしてみることをお勧めします。
喉の奥で意識している玉子をつぶさないようにも気をつけてください。

これらの母音のフォーメーションが納得できたら、
今度は改めて、吐き出す息にのせてこれらを発音してみてください。
どの母音にも深い響きが得られるようになったと思います。

でも、気をつけて下さいね。
その形を意識するあまり、カッコウつけた音大生みたいな響きにならないよ
うにご注意のほどを。
ほら、よくいるじゃありませんか。

いかにも僕は発声を勉強しているんですよっていう若者が。

あくまでも全体の場に溶け込んでいながら、すこしだけ目立つ工夫をするこ
とで、あなたの印象が良くなるのがこの「声みがき術」の目指すところなの
です。

響きの統一された声というのは、
洗練された印象を与える、とても素晴らしい方法です。

一覧に戻る

有限会社 文化センターボックス

私たちは障がい者アート協会を応援しています

アート協会
「障がい者アート協会と私たちの願い」⇒リンク先はこちら
所在地
〒359-0038
埼玉県所沢市北秋津876-2-B-103
TEL
04-2998-0750
FAX
04-2998-0751
お問い合わせはこちら