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いい時代のうたを、こころの中に繰り返すことが、どうしても必要になった。

2023.03.19

■今日のバイブレーション■

 いい時代のうたを、こころの中に繰り返すことが、どうしても必要になった。
                    (竹西 寛子:作家) 
  
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
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 竹西さんは、昨年、第56回野間文芸賞を受賞された作家である。36年前
に作家デビューをされて以来、現代文学と古典との関係を評論という形で著述
されてきた。今回は和歌のこころを、源氏物語や蜻蛉日記、伊勢物語などにみ
られる、人に贈る歌と返す歌のなかにさぐったものであるらしい。素材は受験
時代に、ちょいと歯型をつけたくらいで、そのままになっている名作ばかりで
あるが、こういう切り口でこられると、ちょっと、始末をつけておきたくなる。
 上記は受賞時のコメント。ここででしるされた「うた」は、間違いなく和歌
をさすのであるが、歌唱の「うた」に関しても、同じことが求められているは
ずだ。

 音は、色も香りも風景も再現することができる。例えば童謡は、こどもにと
っては、身体やこころを動かすための練習として意味があるが、シニア世代に
とっては、人生を追体験することのできるタイムマシーンとなる。
 すべては、童謡や唱歌を歌ったあの頃の延長線上にあることを、あるがまま
に受け入れること。音楽療法の中で、このジャンルが果たす役割の最大の効果
はここにある。
 他のジャンルの「なじみの歌」も多かれ少なかれ、その意味をもつ。

 いつものことながら年末に放映される「懐メロヒットパレード」、なぜだか
わからないけど、気がつくと、チャンネルが勝手に(?)合っていて、未来を
意識する歌い手の僕としては、全く戸惑うのだが、まあ、自然とそのような効
果を期待する年齢になってきたということか。

 せめて、今回の受賞作ほどの、きちんとしたコンセプトで番組作りがなされ
ていれば、家族の手前、おおいばりで、番組欄でそこに赤丸を記す事ができる
のだが・・。

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