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ロマンチシズム(romanticism )=浪漫主義

2023.09.18

■今日のバイブレーション■

 ロマンチシズム(romanticism )=浪漫主義
              (「大字泉」より:小学館発行)

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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
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 大正の浪漫(ロマン)への憧れは、以前からあった。その度に、ロマンを
浪漫とあてた先人の智慧に驚愕をしてきた。
 無類の、素敵な当て字である。夢路をさすらうバガボンドの風情を漢字自
体で余すところなく表現している。大正時代をリアルタイムで体験した方々
は勿論少なくなっていく。私の母が大正14年生まれ、本年79歳、いまだに元
気であるが、彼女にしても大正ロマンを体験したわけではない。
 その年齢以上の世代が大正時代の空気を呼吸していたのである。

 イメージでしかないが、上下左右に膨らみ行く日本人の浪漫的な力を感じ
させる時代だったようだ。今、私たちが文化と呼んでいるジャンルの萌芽が、
すべてこの時代にあった。

 ロマンは言うまでもなく、ロマンチストという表現に発揮されるように、
現実を離れた、甘美な空想を惹起させる。 文化には、確かにそういった側
面がある。浅草オペラがはじまったのが大正6年。社交ダンス開始が8年。初
めてのジャズバンドの創立が12年。そして今だに、日本人の多くが心のふる
さととして歌い継ぐ、たくさんの童謡は、大正7年に創刊された児童文芸誌の
「赤い鳥」から生み出された。

 新しい国家の黎明期であった明治時代は、元勲による藩閥政治が幅をきか
し、「武」の時代であったといえる。一変して、大正時代は「文」の時代。
 勇猛果敢であった時代に別れをつげて、あえて軟弱である事への憧れや郷
愁が、浪漫的な文化を生み出していった。意識が開放される喜びを、味わい
知ったが故のロマンであった。

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