「僕一人で、管理できたのは、社内15人くらいではないでしょうか」
2023.11.10
■今日のバイブレーション■
「僕一人で、管理できたのは、社内15人くらいではないでしょうか」
(斉藤寿孝さん:ハーモニカの鉄人)
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
前号で「ハーモニカの鉄人」斉藤寿孝さんの話をした。
還暦を過ぎて、63歳でプロデビューを果たした音楽家である。
一般の企業戦士として、きちんと会社を勤め上げ、そして、まるで、それが、
当たり前のように音楽家として二度目の人生の出発をされている。
信州の旅先での休憩時間に、色々なお話をうかがった。そのなかに出てきた
のが上記の言葉である。コンピューター関係の職場で、課長、部長という立場
から部下を指導されてきた方だけに、ずっしりと言葉に重みがある。
この世代の方々の言葉は、今と違って人そのものを表すので、僕は無条件に
斉藤さんという人間を楽しむ事ができた。人生の痛快さも堪能できた。
なるほど、人が人を御してゆくというのは難しい事であると思う。
同じ事象に遭遇しても、沸き出ずる思いの多様さに閉口し、僕などは結局まと
める立場にあっても、それぞれの思いのたけに先ずは脱帽をくりかえすのみで
毎度、なんども不手際を繰り返し続けてきたように思う。
考えてみれば、たかだか5,6名の人間の塊でさえも、僕は御しきれず、振
り返れば、ずいぶんと後味の悪い別れ方してきた事を思い出す。
たいしたこともしてないのに組織疲れを一番に感じるタイプであろう。
ワークショップなどでも寿孝さんは、15名を限度にしてしか、ハーモニカ
レッスンはなさらない。それ以上は、人間としてお互いが通じなくなる事を経
験で学んでおられるからだ。
しかし、コンサートではそのような条件はおつけにならない。200名であ
ろうと、400名であろうと「音楽」である限り可能であるといわれる。
そう、音楽はそのようなものなのだ。
音楽を哲学する「鉄人」の姿を垣間見た。