ねえ和男、私たちもう若くないんだし、これから何回も会えるわけじゃないんだからさ、少々のことは我慢して。こっちは たくさん我慢してあげるからさ。ね、楽しくいこうよ、ね」
2024.01.31
■今日のバイブレーション■
「ねえ和男、私たちもう若くないんだし、これから何回も会えるわけじ
ゃないんだからさ、少々のことは我慢して。
こっちは たくさん我慢してあげるからさ。ね、楽しくいこうよ、ね」
(「カリフォルニアドリーミン」の台詞より:ちねんまさふみ作)
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
いつもこのバイブレーションをお読みの皆様はビックリされたかも知れな
い導入となってしまった。これは、今回私が参加する「カリフォルニアドリ
ーミン(夢のカリフォルニア)」というミュージカルの中の台詞である。
劇団鳥獣戯画という団体での上演で、本拠地が同じく埼玉の入間にあり、
弊社とも仲良しグループであるところから、思わぬお話を頂いた。
今までにも何回も登場させた話題ではあるが、いよいよ、本番が近づいてき
たわけで、新参者の私としては、年末から年始にかけてダンスに、歌に、台
詞にと、この三点セットを体得するために涙ぐましい努力を重ねている。
この本番が終わってからが私の正月だ。
台本を読み込むうちに、この台詞の重みがズンズン伝わってくるようにな
った。起承転結の転に当たる部分であろうか。これを喋るのは役柄としては
和男(私)の幼馴染である朝子。演じるのは、鳥獣戯画のメインキャストで
ある石丸有里子さん(以前はポンキッキのお姉さんだったけれど、最近は、
養命酒のコマーシャルで小母さんを演じている)。
この一連の台詞は、いわゆる歌のサビ部分を担う重要な役割を果たす。
役柄の朝子は癌を患い、それでも元気に生を全うしようとしている。
いうならば「クオリティ オブ ライフ」を実践しようとしている女性像を
アリコさん(私たちは彼女をこう呼ぶ)が熱演する。
この台詞が吐かれるのは、和男が自分自身が経営する零細企業がこの不況
によって倒産寸前であることから、酒がらみでまわりの同級生に当り散らす
場面を、最終的に、彼女が気心がしれた幼馴染としてこっそり諌める場面で
ある。
改めてこう書いていても、この台詞が持つ意味は大きい。
「これから何回もあえるわけじゃないから」・・朝子の病気をただ一人知っ
ている和男には、なんとも辛い。
「こっちはたくさん我慢してあげるから・・」この言葉を生み出した知念さ
ん、凄い!
サビ部分の数小節や、キラリと輝く言葉があることで、歌は時代を超える
事になる。その伝を流用すれば、ここはこのミュージカルの肝になる部分。
アリコさんの言葉がズシンと響いて、私は言葉を失う。
役柄の和男としても、生身の私自身としても。
(よかった!しばらくは台詞がまわってこないところだ。気持ちを静める
余裕はありそうだ)
決め所を知っている知念演出。音楽に似て、恐るべしである。