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文化の花の咲くところ

2024.06.10

■今日のバイブレーション■

       文化の花の咲くところ                                      

                        
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事

 この出だしで始まるのが、京都の私の中学校の校歌であった。
小学校6年生で、いくつかの変遷を経た上で大分県大分市の荷揚町小学校
から、京都市の豊園小学校に転校。

 その後1年(当たり前!)で、この成徳中学校に入学。
勿論のことであるが、初めての中学生活は、まだ馴染みきっていない古都
の空気とあいまって、こども心にかなりのプレッシャーであったような気
がする。風格を伴った校舎のたたずまいが更に追い討ちを掛けていたかも
知れない。


 校歌は教育上の観点から、おおむね品格が備わっているのは当然ではあ
ると思うが、なかなか立派な校歌であると思うのは、身贔屓であろうか。

  http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/seitoku-c/menu0.html

 インターネットというのは、本当に驚異的なツールである。
かすかな期待を抱きつつも、「まさかね」という思いで検索をしてみたと
ころ、懐かしい校舎が、みずみずしい蔦に囲まれた姿で現れた。

 瞬間的に、僕は当時にタイムスリップ。
磨きこまれた廊下に漂っていたワックスの匂いを嗅いだ思いがした。


 どのような思いが私にこのページ検索を思い立たせたのだろうか。


 本日(7月11日)所沢の喫茶店グリーンで、「メロウネットところ塾」
の茶話会が行われた。テーマはSPレコードで美空ひばりを偲ぶという趣。
東狭山ヶ丘在住の川辺芳雄氏の蓄音機とSPレコードが運び込まれ、珈琲
ショップ・グリーンには、尚一層、レトロな空気が漂い始めたのであった。

 こんな風景あったよな・・あの頃、あの音楽室で。

 美空ひばりを聞かせてくれはしなかったけれど、薄暗い音楽室の片隅に、
こんな蓄音機があったような気がした。川辺氏に重たいレコードをとても
大事に扱っていた初老の女性教師のイメージが重なった。

 昭和33年くらいの時代だ。

 熱っぽくベートーベンやショパンを語りおえた教師は、おもむろに蓄音
機の方に向き直り、宝石を扱うような丁寧さでレコードを回転盤に据えた。
僕らも息を呑んで、音が立ち上がる一瞬を待っていた。

 あの時と同じ空気が、今日、グリーンに流れていた。

 今回、固唾をのんでいたのは、紅顔の少年少女ではなく平均64、5の
シニアであったが、まぎれもなく「文化の花の咲く」一時。

 気がつくと窓の外には、ひそやかに雨が降り始めていた。

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