音風景あれこれ ②
2023.02.05
チェンバロの響き
チェンバロの音がたまらなく好きである。心の琴線があるとして、弾くと、
きっと、あのような音色がすると学生時代からずっと信じている。
その中でも、盲目のチェンバリスト、ヴァルハの演奏するバッハの「二声の
ためのインベンション」、および「三声のためのインベンション」がお気に入
りである。同じ曲をピアノで演奏されたものを聴いたことがあるが、さして感
動はしなかった。声好きの私ではあるが、かつて聴いたスイングルシンガーズ
の歌う同曲のスキャットでも、あのチェンバロにはかなわないと思った。
螺旋状に天空をめざす音の回廊をイメージさせる、このレコードを買ったの
は、大学二年の頃か。もう38年ほども前になる。いまなら自分でMDやCDに落
として、本体は大切に保存ということになるのだろうが、仕方がない。
またぞろ、スクラッチノイズを気にしながらも、聴きたくなってしまう。