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音風景あれこれ ⑳

2023.03.29

◆静かなる男 ふたたび◆

楽しみにしていた「The Quiet Man(静かなる男)」のビデオを、やっと見
終えました。1952年の作品。アイルランドを舞台にした名作です。19
47年生まれのぼくにとっては、ジョン・ウエィンは西部劇の大スターとし
てしか印象はなかったのですが、この作品の中では、二枚目そのものでちょ
っと戸惑いを感じました。

 Quiet Man を「静かなる男」と訳していいものかどうか、いまだに、釈然
としない部分はあるのですが、それはさておき、僕がアイルランドに再び魅
かれ始めるきっかけを、この映画が創ってくれた事は確かです。

 再びというには、訳があります。6年ほど前に「アイルランドに遊ぶ」と
いう企画のコンサートをお引き受けし、日本人に知られている曲として、
「庭の千草」や「ダニーボーイ」「春の日の花と輝く」に加えて日本人の詩
人、丸山薫の「汽車にのって」で、アイルランドの田舎に憧れる日本人の心
情を歌いました。イエィツの詩も朗読されてなかなか面白い企画でした。

 勿論、エンヤやU2を醸成した場所としても、興味はもっていたのですが、
日本人の感覚にとって、とっても馴染みやすい場所であることを確信させた
のが、この映画の役割だったのでしょう。

 お互いがお互いを知り尽くしているからできる無頼さ、おせっかいさ、そ
う!後味としては、宮崎駿の「思い出ポロポロ」に似ているというと、貸し
てくださった方に失礼になるかな。田舎ならではの大家族的な匂い。

 何度も登場するアイリッシュパブで歌われる歌が、実に自然なコーラスと
して画面に溶け込んでいることも、コーラス好きの僕にはうらやましい限り
でした。多分現実のアイリッシュパブでも同じように、みんなで自然発生の
コーラスを楽しんでいるのでしょう。

今日のバイブレーションとも共鳴して「スローライフ」への憧れを強めさせ
た作品。でも、モーリン・オハラって、ちょっと僕には重荷?

 相変わらず外国女性には、一線を画す僕の趣向です。

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