ユレユレの法則その三
2023.02.02
■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■
執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)
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ユレユレの法則その三
■さてユレユレの法則のとどめです。
きれいなヴィブラートは、貴方の歌を200%引き立てます。
でもね、止まったヴィブラートの場合はないほうがいい場合もあるのです。
止まったヴィブラートって・・?と思われる方いらっしゃいます?
これ、実はユレユレの法則の最初にお話した「ちりめん」よりも始末が悪い
ことがあります。
歌が前に進まないのです。歌が地団駄踏んでいる感じです。
懐メロ特集の番組で往年の名歌手の衰えを感じ取るのは、じつはこの部分で
す。声の艶はある程度仕方がないことですね。
ビロードのような声が、いつのまにか綿タオルのようにガサガサしてしまう。
声の保湿性に関しては、またいずれ。
老いを感じさせる一番の原因が、ヴィブラートが止まり始めることです。
それは息の送り出しが弱くなっている事が原因です。
呼気には背筋、腹筋そして横隔膜の緊張が微妙に関わっています。
割合としてこのメルマガでは顔の中の空洞を共鳴腔に変える筋肉の使い方を
お話してきましたが、この腹腔あたりの筋肉の使い方もきわめて重要です。
別の法則があるので、それはその時点で詳しくお話するとして、今はとりあ
えず、呼気にスピードを与えるために腹筋を使えということにしておきます。
半音上下のヴィブラート練習をしているときには、慎重になるあまり、多分
息の流れはかなり弱くなっているはずです。
ある程度ヴィブラートの形が見え始めたら、たまには強い息を送ってみるこ
とです。
僕は慣れてゆく段階で、西部劇に良く出てくるバーの入り口にある、丁度、
人間の胸にあたる部分で前後に開閉できる半扉をイメージし、それを声帯に
見立てて、それを息で押しやるようなつもりで息を吐いてゆきました。
その前にシュワッチの法則で息を一旦力強く堰きとめておくことも、必要。
お試しください。
Q: あの・・止まったヴィブラートを醸すのは高年齢者だけですか。
A: 実は違います。それを持ち味にしてしまっている現役バリバリの歌手
も結構いますよ。一声きいたら、あああの人ってわかるぐらいまで染め
上げていると、それも個性っていえるかもしれません。
僕は、なんだか萌えないけど・・。
最後にこれはあまり人前ではつかえないけど、声を出しながら、左右に
首をブルブルふるわせるとヴィブラートは確実につきます。
これは結果的に声帯自体をリラックスさせているのですね。