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「点と線」(張 素奇:中国の竹笛奏者の言葉)

2023.05.17

■今日のバイブレーション■

        「点と線」
           (張 素奇:中国の竹笛奏者の言葉)

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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
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 「なるほど、そういう言い回しがあったか!」と膝を打つ思いでした。
前回に引き続き、張さんとの会話の中での、気付きです。
中国の楽器について、点の楽器として、三絃、琵琶、古筝、洋琴などを張さん
は挙げました。線の楽器は笛、ニ胡などです。
 この区別はおわかりですか。
 つまり、長音を表現できる楽器は「線の楽器」なのです。逆に点として音程
を表すのものは「点の楽器」となります。琴などでは、長い音を表現するため
には、その点をいくつも連続して積み重ねることになります。いわゆるトレモ
ロという演奏方法ですね。

 「点と線が一緒にあることがアンサンブルの美しさを生み出すのです」と、
張さんは言いました。彼の楽器は笛ですから「線の楽器」、合奏をする時は、
三弦や古筝など、点の楽器を組み合わせたほうが表現の幅が広がるということ
です。

 私たちのグループはヴォーカルチームですからこれも線の楽器、伴奏として
は、ピアノ、ドラム、ベース、ギターなど点の楽器の奏者を自然と御願いして
いるのも理に叶っているわけですね。シンセサイザーは、ロングトーンを自在
に作り出しますから、これは線の楽器です。
これと声のアンサンブルは、多分同じような色合いですから、変化をつけにく
いかもしれません。

 点から線へそして面へという表現がありますが、まさしく、そのような個性
が渾然一体となった音楽表現が人の心を揺り動かすのです。アンサンブルは面
の魅力なのですね。

 なんとなく感覚的にわかっていたことも、中国四千年のバックヤードを基に
語られると、哲学的な香りが漂ってきます。感嘆しきりです。 

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