音風景あれこれ ⑩
2023.02.25
マスキング
人間は二つ以上の音を同時には聞いていない。
ちょっと哲学的な発想ですが、どうもそのようです。
・・コーラスを聴いているとき、鼓膜はどんな状況になるの・・・
微細な部分は、このメルマガではさておき、耳鼻咽喉科の先生に確認をした方
が無難・・かも・・。
でも、ある音に焦点をあてて聴いているということなら分かりますね。
音風景という言葉があります。サウンドスケープとも称されますが、その場で
聴こえるすべての音を素材にした一種の風景です。行政単位でそれを整える試
みもいくつか知っています。
街ぐるみで、音風景を整えるのは大変な経費と、高い住民の意識が必要にな
ります。それが、不可能ならばということで、日常的に用いられているのが、
マスキングという手法です。例えば、喫茶店でのBGM、これもマスキングの一種
です。他のグループの話し声を気にせずに、喋ることができるのも、実は、この
BGMが効果を発揮しているのです。耳は自分たちの話し声やこのBGMに瞬間的に
に焦点を絞り込みながら、自分たちの世界を作り上げているというわけです。
他の音や別の周波数を流す事で、必要のない音をマスクする(覆う)という術。
でも、マスキングするための音楽や、音量には十分にご注意を。
先日、ラーメンを食べたくてはいった中華食堂には全く閉口してしまいました。
多分、店主の趣味なのでしょうが、大音量でダンスミュージックが延々と流れ、
それぞれの話が聞きづらくって、お互いが大声で話しているから、もう戦場!
わめき続けた喉に滲みるラー油の、なんと、悲しく、痛かった事か!