2023.04.04
■■■『コミュニケーション力を高める!★声みがき術!』■■■
執筆者:牧野俊浩(セラピー音楽家・ヴォーカルアドヴァイザー)
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■■■ 学びのカテゴリー 第一章その8「コマネチの法則」 ■■■
良い声を出すには、まず基本は姿勢です。
そんな事を実感していただくために、第一章では身体を創ることに
専念していただきました。どうでしょうか。姿勢を正すだけで結構自分の声が
変わってきた事に気づいた方も多いと思います。
これからお話する技は、いつでもどこででもできるというものでは
ありませんが、瞬間的に、自分の身体を整える方法です。
大事なプレゼンテーションの前に、物陰でこっそり試してみてください。
強烈なインパクトとともに、一瞬にしてテンションを高めてくれます。
ビートたけしさん、今は北野たけしさんと呼んだほうがいいかもしれません
が、彼がデビューした当時に盛んに使っていたギャグがあります。
このギャグはどうしても、股間に目がいってしまいますので、うら若き女性
にはあまりオススメではありません。
「コマネチ!」と言って、両方の手でVサインを作って引き上げるという技。
未だに、爆笑を誘ってしまいますが、それと同じ動作になるのです。
もう皆さんも十分にそのポーズはご存知でしょうから、
細かなところは解説不要ですね。
ポイントは、最後のポーズが決まったときに、指先や手のひらで腰骨の感触
を確認することです。
ここ一番の時の声は腰で出します。
といっても腰に口があるわけじゃないですよ。
腰を意識した声と意識しない声では、迫力は300%くらい違います。
私がオペラのステージをやっていたときに、ある有名なバリトンのソリスト
の方が近寄ってきて、ドキドキしながら自分の出番を待っている私の背中の
腰の辺りをトントンと軽く叩いてくださいました。
長い演奏旅行の途中での出来事です。
ほんのワンフレーズでしたが、ソロの場面をいただき、私としては毎回その
場面がやってくると、落ち着かない気持ちでいっぱいになっていたのです。
決して難しいフレーズではないのですが、その一言で、ドラマのストーリー
が大きく変化して行くので、絶対に失敗は許されませんでした。
私にとっては少し高い音程でしたので、いいポジションで声を当てないとと
気持ちばかりが先行し、自分で満足した覚えがほとんどなかったのです。
いつものように、悩んで舞台袖で出番を待っていた私の腰をトントンと叩き
ながら、そのソリストの方が優しく語りかけて下さいました。
「牧野くん 腰を意識して出してみなさい」
まるで天啓のような指導でした。
ハッと気がついた私は、瞬間的に姿勢が変わり、その姿勢を保ったまま舞台
に登場して、その日はためらうことなくソロパートを歌いきることができた
のです。
本当に神の一言でした。救いの一言でした。
自分でも涙がでるほど嬉しく思ったことを今も忘れません。
皆さんは、日常で腰を意識したことがありますか。
腰は決してベルトを巻く場所というだけじゃなく、
人体の要(かなめ)なのです。
「コマネチの法則」で自分の腰を意識する習慣を身につけて下さい。
気持ちもきっと安定することだと思いますよ。
皆様方のご意見を頂きたいと思います。
解りにくい表現などがありましたら、是非ご指摘下さい。