「ベートーベンは・・心の治療を決意しました」(青木俊之:ピアニスト)
2023.06.06
■今日のバイブレーション■
「ベートーベンは・・心の治療を決意しました」
(青木俊之:ピアニスト)
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
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すぐに熱くなって、しかも冷めやすい性格には、正直言って、自分でも手を
やいているが、新聞記事のスクラップ癖だけは比較的長期に渡って続いている。
その時点でのアンテナで捕らえた、雑多な情報が多いのではあるが、たまに
は、時代を超えて興味深いシンクロが起こることもある。
今回のバイブレーションは1996年の朝日新聞に掲載されたものである。
つい先日、やはり朝日新聞に掲載されていた記事が引き金となって思い出し、
当時のスクラップブックと格闘しながら、再発見した。
先ずは今回の記事は以下のような内容であった。
「クラシックを気楽に語ろう」
一例として、落語家の春風亭小朝師匠のプロデュースでギタリストの村治佳織
さんと、二胡のチェン・ミンさんが出演する、トークと語りによる「ショパン
の恋物語」。あるいは、NHK交響楽団の首席オーボエ奏者・茂木大輔氏の主催
する「名曲の森探検隊」・・これは茂木氏による解説のあと、若い音楽家が名
曲を演奏するという構成。解説に作曲家の池辺晋一郎氏が登場したこともある
という。
ともにクラシックの垣根を低くして、停滞気味のクラシック業界の活性化を
図ろうという目論見。
1996年にはピアニストの青木俊之氏が、ベートーベンの「悲愴」を、作曲
者の意図を記した紙芝居式の解説を見せながら演奏したとある。当時、これを
主催した睦音会では、この手法を「耳で聞く小説」と称した。
9年の歳月を経て、同じような志で開かれるコンサートの情報を得ることに
なった。この方法の是々非々は購読者の皆様のご判断で構わないと思う。
「演奏家はなぜ舞台から聴衆に語りかけないのか。ずっと疑問だった。生の声
に接すれば感動も増すはず」とは小朝師匠の弁。
私としては、こういった手法は大歓迎。
コンサートとは、その演奏家という人間を楽しみにゆくものであると思う所以
である。
あらゆる意味での鑑賞にたえうる存在としての音楽家が求められてい
る。